ハートの形をした石。それは、姫路城ぬの門の近くにある石垣にありました。
今回は、姫路城のハートの形をした石がある場所と世界遺産としての価値をお伝えします。
姫路城にあるハートの形をした石はどこにある?


【姫路城案内図】引用:姫路城公式サイト
ハートの形をした石は、地図の中央下にある(31)ぬの門を通って数m、(33)扇の勾配の近くにあります。


姫路城の石垣:ここにハートの石があります。
見つけられますか?(答えは下にあります)
僕はハートの石の存在を知らなかったのですが、近くにいたスタッフの方が「ハートの石がありますよ~♪」と案内してくれました。
ハートマークは”愛情や幸福”の意味を持ちます。
さてそれではハートの石の答えです。
中央やや左にあるこちらがハートの石。まわりを大きな石で囲まれていますが、たしかにハートの形をしていますね。


野良積みされたハートの石
クリスマスやバレンタインをはじめ多くのイベントをきっかけに、スマホで記念撮影をして壁紙にする。
きっと姫路城に関わった歴戦の武将たちもあなたの恋を応援してくれるでしょう。
映える姫路城は白鷺城といわれる白い見た目やハートの石だけではない


国宝&世界遺産の姫路城
姫路城は美しい。
時代を超えて映えるその姿は、まさに傑作だといえます。
でも僕は、天守を見上げるよりも先に石垣をみてしまいます。無口で、特別注目をされることもなく時代を積み上げてきたもの。華やかな物語よりも、そこにあるのは重さと、時代を耐えぬいてきた痕跡だけなのです。


姫路城にある扇の勾配
ここに立つと石が自分を包み込むような安定感がある
扇の勾配のゆるやかな曲線は、力を誇示するためではなく崩れないために生まれた形だという。野良積みの石は、完璧ではない形のまま、14世紀に砦が築かれたその時から、互いに支え合って700年を過ごしてきました。


姫路城の石垣に使用された石棺
石棺はその存在感の大きさゆえに注目されることがあるが、本来は石垣のためのものではありません。
その時代の、姫路城への熱意と現実的な判断が、何百年も経った今でも静かにそこに佇んでいます。手で触れて、目を閉じると、古墳時代まで心がもっていかれるような、そんな気がします。
石棺から石垣、静かに今は時代を語る者として、役目を変えながら生き続けているのかもしれません。
姫路城の世界遺産としての価値


姫路城の天守閣からの風景
かつては城下町が広がっていた
1993年、姫路城は日本で初めての世界遺産に選ばれました。
木造の構造体で外壁を土で覆い白漆喰で仕上げた。独自の工夫が凝らされた美的完成度において日本の木造建築を代表している。
防御の面で独自の工夫がみられる日本の城郭の構成を最もよく示す城。
城としての完成度が高い姫路城と、その足元を支える石垣は、時代を超えても常に日本の象徴的な存在なのは疑いようがありません。
日本の文化遺産でもっとも多い登録基準であるⅳ(建築様式、建築技術)はもちろんですが、なによりも登録基準ⅰ(人類の創造的資質を示す価値)が認められています。
他の遺産、例えばオーストラリアのシドニーにある「オペラハウス」のヨーン・ウッツォンように、誰か一人の創造的資質ではありません。姫路城に関わった赤松則村、貞範親子、黒田重隆、羽柴秀吉そして池田輝昌、本田忠政の時代をこえた城主によって普遍的価値を認められた世界遺産です。
一度では見切れない価値が姫路城にあるので、僕も再訪したい候補のひとつでもあります。
同じ登録基準ⅳが認められている白川郷・五箇山の記事です。













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