”人類は柱に支えられて生きてきた。”
”柱がなければ古代から現代、将来世代における建築は存在しえない。”
今回は、神話の地「ギリシャ」であり、ユネスコのエムブレムにもなっているパルテノン神殿を紹介します。
パルテノン神殿の柱を紹介したあとに、エンタシス技法が生み出されたパンテノン神殿の柱にまつわるギリシャ人の意外なお話を紹介しますので、気になる箇所を読んでいってください。
パルテノン神殿の柱の美しさはエンタシス技法が生んでいる


アテネのアクロポリス
パルテノン神殿。そこで見られるのは、僕たち日本人にもなじみの深い法隆寺と同じ柱です。
- 建築時期:紀元前5世紀
- 柱の様式:ドーリア式
- 柱の本数:外周46本
- 建材:大理石
柱の中央をわずかに膨らませたエンタシスという技法は、わずかなふくらみをもちつつも、フルーティングという柱に多くの縦の溝が彫られているのが特徴です。
古代ギリシャの建築家は、「直線に柱を立てると中央が細く、へこんで見える錯覚が起こる」と考えました。
そこで、数学的な直線ではなく、人が視覚的に美しいと感じるふくらみを設け、エンタシスとなったという説があります。
パルテノン神殿が建てられた時代のアテネは、民主制と哲学が花開いた時代でした。
ですので、建築は建築のみにあらず、理性や調和、秩序そして世界観を目に見える形で表現する手段だったのです。その結果のひとつがパルテノン神殿の柱ともいえます。
パルテノン神殿の柱:エンタシス技法はなぜ生まれたのか?


パンテノン神殿
エンタシスという「柱の中央をわずかに膨らませる」建築技法。それはなぜ生まれたのでしょうか?
なぜ古代ギリシャ人は、このような ”しちめんどくさい” ことをしたのか気になります。
一説によれば3つの可能性が伝えられている。
- 人間の目は「直線」を正しく見られない
- 石の柱は「弱く」見えてしまう
- 「数学的正しさ」より「人間的な美」を追求した
どの理由も可能性の域を出ませんが理解できます。
そしてなぜ、ギリシャで生まれたのか?
それは、市民が公共空間をみる文化があり、哲学が浸透していた。さらに、神殿が権力を誇示するよりも理想像の提示を意味するものだったことが伺えます。
古代ギリシャの真実!実は柱は女性だった?


アクロポリスと花
ふくらみは屋根をささえ、安心感を与えるものです。
ここからは僕の妄想です。
そもそも古代ギリシャの世界は擬人化する傾向がありました。
知恵を女神アテナ、大地を女神がイアそれに力を男神ヘラクレスといったように。
そして古代ギリシャの建築家がエンタシスを作った理由、それは女性をモチーフに建物を建てたかったのではないでしょうか?
屋根は雨から人々を守る男性を表現し、
ふくらみや張りのある柱は、人々をやさしく包む女性。
そうみえませんか?
ギリシャ人は、女性に支えられて、男性は力が発揮できると考えていた……と僕は考えました。
女性を模したからこそ、人それぞれの想いが柱を美しいと感じ、後世に残したいと考えたのなら、いっそ古代がロマンチックにさえ感じます。


アクロポリスのエレクテイオン神殿
女性が黄金比にも見えます
アテネのアクロポリスにはエレクテイオン神殿というイオニア式の代表的な神殿で、神殿の屋根を支えているのは乙女の姿をかたどったカリアティードといわれる柱です。
このことからも、女性が生活をささえているのが尊い。と表現されているのではないでしょうか?
時系列も、パンテノン神殿が紀元前447年から前432年、エレクテイオン神殿が建てられたのは、その後の紀元前421年から前406年だといわれています。
いかがですか?
宗教的にも儀礼的存在であり、豊穣・大地の象徴である。また共同体としての理想像として女性が採用された結果、エンタシスのふっくらした柱が生まれた。
そのように考えると、やはりロマンチックだと思いませんか?
パルテノン神殿の柱を含む世界遺産としての価値


夜のパルテノン神殿
パルテノン神殿は古代ギリシャ関連遺産として「アテネのアクロポリス」の構成資産として登録されています。
保有国:ギリシャ共和国
登録年:1987年
登録基準:ⅰ、ⅱ、ⅲ、ⅳ、ⅵ
エレクテイオン神殿付近から出土した青銅時代の土器片から人が住んでいたことがわかる。また、アクトポリスではパンアテナイア祭が開催された。
プラトンやソクラテス、アリストテレスといった哲学者が議論したアゴラが有名。
構成資産には、パルテノン神殿やエレクテイオン神殿のほか、プロビレア、アテナ・ニケ神殿も登録されています。
2500年以上前の古代ギリシャの柱をみて、想像し、想いを馳せる。
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