2025年12月27日。雪の白川郷に行きました。
行ったときには気がつかなかったんですが、「ひぐらしのなく頃に」というホラーミステリーサウンドノベルの舞台になっているようです。
今回は「ひぐらしのなく頃に」を紹介したあとに、僕が実際にいって感じた白川郷の原風景をお届けします。
白川郷が聖地巡礼地の「ひぐらしのなく頃に」とは?
ひぐらしのなく頃にとは、架空の山奥の寒村・雛見沢を舞台に毎年の祭りの時期に起こる怪死事件を描くホラーミステリーです。
合掌造りの集落や閉鎖的な共同体は白川郷がモデルとされ、穏やかな日常の裏に潜む疑心暗鬼や因習が物語を歪めていきます。
この作品の魅力は、ほのぼのとした日常から徐々に空気が変わって惨劇に変わるギャップ。最後は個性の強いキャラ達が絆を築いて惨劇を回避するストーリーです。
この合掌造りと古手神社が白川郷が聖地といわれるようになりました。
日本の原風景に溶け込む場所が白川郷


白川郷に向かう道路の様子
数日前に大雪が降ったせいか、トンネルを抜けた道路の両端には恐縮した雪が積まれていました。
深くなる山と雪、それと反比例するかのようなワクワクが僕を刺激します。
村を抜けて展望台へ、そこはモノクロの世界


展望台からの景色
村の道路は許可車両のみしか入ってきません。足早に村を抜けて徒歩で目指した展望台。
息をきらせて見渡した村は、雪で覆われたモノクロの世界になっていました。
白川郷で紡がれた建築と相互扶助の精神性


白川郷:和田家のつらら
村におりて合掌造りの家に入りました。
山間部の厳しい自然を相手に紡ぎあげてきた合掌造りです。


合掌造り(和田家)のチョウナバリ
このチョウナバリ。本当に人だけで組み上げたなんて信じられません。
大きな切妻屋根の開口から吹き込む自然の光と風。
光は村人にやすらぎを与え、風は養蚕の作業の邪魔をしていたのかな?


合掌造りの家は切妻屋根から光と風を取り込む
合掌造りのすばらしさに気がついたブルーノ・タウト
合掌造りのすばらしさと合理性を見抜いたのは、意外にもドイツ出身の建築家であるブルーノ・タウトでした。


ブルーノ・タウト
引用:Wikipedia
ブルーノ・タウトは1933年に来日し1936年頃に日本を離れています。その間に白川郷を訪れ、合掌造りを「合理性のかたまり」と表現しています。
豪雪地帯で雪を落とすための急こう配の屋根に風を逃がす構造。そして、近くの山林から材料を調達して村人同士で家の修理も行うシステム。


合掌造りの全景
白川郷・五箇山で当たり前に行われていたその光景は、ドイツ人建築家にはきらきらと光る優しい世界に映ったことでしょう。
世界遺産としての白川郷・五箇山の合掌造り集落の価値
1995年。「白川郷・五箇山の合掌造り集落」として世界遺産登録されました。
合掌造りの小屋組みを養蚕の作業場や桑の葉の収納場所として利用するため、切妻屋根の開口部は光と風を確保する構造になっている独自構造。
浄土真宗の信仰により精神的な絆を基礎とした社会制度や生活習慣において独自の文化圏がつくられた。
時代に取り残された村と文化圏が、1995年の世界遺産登録とともに脚光を浴び続けています。
しかし現在は、合掌造り集落を維持するための人手不足と高齢化が進み、共同作業を前提とした暮らしのシステムが維持できなくなっているという課題もあります。


村の中にある水車
僕らができることは、すばらしさを知り、課題を感じ、こうして発信することなのかもしれません。
現地にいかなくても、それこそが真の聖地巡礼だと僕は思います。












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