ケープ植物区保護地域群とは?航空観測で守る植物多様性と火災・外来種の課題

この記事では、最新技術を取り入れて保護・保全をおこなっている事例としてケーブ植物区保護群を取り上げます。

航空リモートセンシング技術という技術進歩とともに、地元との保護の在り方の参考にしていただければ幸いです。

かんたん解説:航空リモートセンシング技術とは?

航空機に搭載したカメラやセンサーで地表を観測し、森林、地形、災害、文化財の状態を広範囲に把握する技術。

この論文は世界遺産検定マイスターの問3と同じ構成で作成しておりますが、合格を保証するものではありません。検定での事例の取り扱いは個人の責任となりますのでご理解ください。
また、本論文の転用や写しはご遠慮ください。

目次

【出題】広大な世界遺産エリアを保護するにはどうすべき?

【オリジナル問題】

世界自然遺産における生物多様性の保全には、希少種の存在を確認するだけでなく、生態系の分布や状態、その変化を継続的に把握することが求められる。一方、広大で複雑な自然環境の保護・保全を持続することには限界がある。どのような方法でこうした課題に取り組むべきか?
具体的な事例と遺産名をあげて、1200文字以内で述べてください。

【論文】航空リモートセンシング技術と人によるハイブリッド保全

 現在世界遺産は、1273件あり、その中には自然遺産として広大な自然も含まれている。希少種を個別に護だけでなく、これらの広大な遺産を保護していくために、どのような取り組みをすべきか。最新技術である「航空リモートセンシング」と現地調査を組み合わせて保護・保全管理を行っている事例として南アフリカの「ケープ植物区保護地域群」をあげて、広大な遺産な保護・保全管理を論じる。

 「ケープ植物区保護地域群」は、アフリカ大陸の0.5%未満の地域に、同大陸の植物相の約20%が集中する世界的な生物多様性のホットスポットである。代表的な直物として熱により発芽するフィンボスがある。ユネスコが支援するバイオスコープでは、航空機に搭載した画像分光などの観測装置によって、植物の健康状態、水環境、植生や生息地の種類を広域に把握できる。同時に地上では、人間が植物、土壌、水の試料や環境DNAなどを収集し、上空から得た情報と照合する。これにより、点として把握していた生物多様性を地図上の面として可視化し、外来植物の拡大や植生変化の兆候を早期に捉えることが可能になる。技術による空からの監視とマンパワーによる地上での観察を融合した考え方だ。

 鳥の目を持つように空から監視できる技術は素晴らしいが、技術によって空からの地図を作るだけでは保全は実現しない。ケープ植物区では外来植物と火災が主要な脅威であるが、フィンボスは本来、周期的な火災に適応した生態系でもある。したがって、すべての火災を防ぐのではなく、外来植物や気候変動によって火災の頻度と植物の強度がどのように変化したかを判断しなければならない。また、航空観測だけでは小さな個々の植物や特定の地域にしか生息しない固有種の状況を見誤る可能性がある。また技術は、機器、解析人材、継続的な予算も必要となる。

 まとめると、このように、「ケーブ植物保護群」は、技術と人より、空からのマクロと地上からのミクロの視点を行い保護管理を実施している。すばらしく現代的な仕組みである一方で、私は個人的に、地域が置き去りにされないか危惧する側面もある。古来より生息する植物には人しか知り得ないノウハウや現象もあるはずであり、定量的に図れなくてもそれらは大事につなげていきたいものである。単に最新技術を取り入れるだけでなく、先住民、原住民を含む地元住民と技術とのハブになれる機関の創設や理解を促進する施設の建設も必要だと私は考える。その一歩こそが5つのCのひとつであるコミュニティの強化につながるのだから。

【まとめ】GSPではダメなの?ここがすごいぞ航空リモートセンシング

GSPは位置を測る技術のため、地表の状態を撮影したり分析することができません。

航空リモートセンシング技術の場合、衛星よりも低い位置を飛ぶので、対象になる世界遺産を細かく分析できるメリットがあります。

踊り子ちゃん

海や沿岸、でっかくて高い建物の調査にも使えそうだね♪

いずれにしても人の力は必要になりますが、多角的にみて、データ化し、共有する技術は保護の在り方にポジティブな影響を及ぼしそうですね🎶

その他の論文は、 #マイスターnote にまとめてありますのでご覧ください。

論文はそのまま使うのではなく事例の参考や書き方の例としてご活用ください。

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この記事を書いた人

◇世界遺産検定マイスター
推しの世界遺産は「フィレンツェ歴史地区」。小説の中に迷い込んだかのような美しい空気感が魅力的でマーブル紙も有名。

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