『VIVANT』シーズン2に登場する最終決戦の場所、ゴルドバ共和国の「シャキ城」。
名前を聞いただけで、アーチ状の通路や隠し扉、シンシー(Xinxi)の兵士まで脳内に完成します。
僕の妄想建築費は本日もゼロ円です。
踊り子ちゃんシャキ城、行ってみたい!



はしゃぐな!
その前に実在するのか確認するんだ!
結論からいうと、劇中のシャキ城は架空の施設です。
一方で、撮影地として報じられているのが、アゼルバイジャン北西部の古都シェキにあるキャラバンサライ。
さらに「シャキ(Shaki)」と「シェキ(Sheki)」の響きや、同じ街にあるシェキ・ハーン宮殿から、宮殿もモデル候補ではないかと連想されています。
ただし、TBS公式が「ハーン宮殿をモデルにした」と明言した事実は、現時点では確認できません。
ここは大切なので、ドラマのシャキ城、実際の撮影地、モデル説の三つを同じ鍋でグツグツ煮込まないようにしましょう。
世界遺産ファンタジーはこちらのタグからも記事を読めます。
シャキ城の撮影地とされるキャラバンサライ
キャラバンサライとは、シルクロードを旅した商人や隊商のための宿泊施設です。馬や荷物と一緒に休み、情報を交換し、翌朝また旅へ出る。いわば昔の「ホテル+物流拠点+異文化交流センター」。
Wi-Fiはありませんが、世界のうわさ話は爆速で届いたかもしれません。
そんな「旅人を迎え、外の世界へ送り出す場所」が、ドラマでは閉じ込められる不穏な空間に見えます。
この役割の反転、歴史とのギャップが、実に『VIVANT』らしいところです。建物がセリフを話さなくても、石壁と回廊だけで「簡単には帰れませんよ」と語ってくる。
ロケ地選びだけで、恐ろしいほど仕事をしています。


シェキのキャラバンサライ
撮影:shankar s./Wikimedia Commons/CC BY 2.0
(画像は表示サイズのみ変更)
世界遺産の主役:シェキ・ハーン宮殿
シェキの歴史地区は「ハーンの宮殿のあるシェキの歴史地区」として2019年に世界遺産へ登録されました。
正式名:ハーンの宮殿のあるシェキの歴史地区
保有国:アゼルバイジャン
登録年:2019年
登録基準:ⅱ、ⅴ
その他:シェキは、アゼルバイジャン北西部の大コーカサス山脈南麓に位置する歴史都市です。古くからシルクロードの交易拠点として栄え、特に養蚕と絹製品の生産によって発展しました。
現在の歴史地区は、1772年の泥流災害後に高台へ再建された街を基礎としています。城塞内に建つシェキ・ハーン宮殿をはじめ、商人や隊商が宿泊したキャラバンサライ、商店、住宅、モスク、公衆浴場などが残されています。
大コーカサス山脈のふもとにある街は、1772年の泥流後に高台へ再建され、絹の生産と交易で発展しました。



蚕の飼育で有名🎶
サファヴィー朝、オスマン帝国、ガージャール朝、ロシア支配など、さまざまな文化の影響が建築に重なっています。
その象徴がシェキ・ハーン宮殿です。色鮮やかな装飾と「シャバカ」と呼ばれる組子状の窓は、もう外壁からして王様の圧が強い。
キャラバンサライが商業都市シェキの「玄関」なら、宮殿は富と美意識を凝縮した「宝石箱」です。


シェキ・ハーン宮殿の外壁装飾
撮影:Urek Meniashvili/Wikimedia Commons/CC BY-SA 3.0。
(画像は表示サイズのみ変更。)
架空の城から本物のシルクロードへ
シャキ城を探して現実の地図を開くと、そこに現れるのはドラマの秘密施設ではなく、絹、商人、庭園、宮殿がつながる歴史都市でした。
公式モデルと断定はできなくても、シェキの建築が持つ重厚さと迷路のような回廊を見れば、物語の舞台に選びたくなる気持ちはよく分かります。
『VIVANT』の謎を追っていたはずが、気づけば世界遺産の登録基準まで調べている。これぞ別班ならぬ「別学習」。
ドラマの扉を開けた先に、本物のシルクロードが僕を待っていました。



つまり聖地巡礼できる?



できる。
ただし、別班員のように磔(はりつけ)になる予定は入れんじゃないぞ。
シェキへ行くなら、キャラバンサライとハーン宮殿は「ただのシャキ城の構成資産」としてではなく、それぞれ異なる歴史を持つ建築として歩いて、そして触れてみてください。
その方がドラマも世界遺産も2倍おいしく楽しめます。(食いしん坊の僕にもピッタリ!)
『VIVANT』から始まったら、美しいアゼルバイジャンの歴史都市と物語の旅。
今後も見逃せません!





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